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最近、百變梅艶芳告別舞台演唱會(Anita Mui Final Concert)のDVDを気安く見てよいのだろうか、と思うときがある。これは91年から92年に行われたコンサートで、DVDは楽日を収録しているが、今から14年前のコンサートとはとても思えない。古さを感じさせないどころか、これだけのコンサートをアニタはやっていたのだ、という驚きと感嘆の方が大きい。ファンの贔屓目でもなんでもなく、アニタは「クイーン・オブ・ステージ(舞台女王)」の名に恥じないエンターテイナーだったことを証明している。
楽日の4日前のコンサート中に左足の感覚がなくなり(はっきりと病名が報道されてはいないが、“骨盤付近の背骨の軟骨が飛び出している”とか書かれているので、私はギックリ腰の一種だと思う。もしかしたら椎間板ヘルニアの一種かもしれない。が、ヘルニアはもう少し上の背骨の軟骨が飛び出すのではないかと思う)、一日休演を余儀なくされた。最後の頼みの有名な気功師に治療をしてもらって、なんとか足に感覚が戻ってコンサートを再開したそうだ。だが、彼女はアンデルセン童話の「人魚姫」のごとく、歩くだけでも鋭い痛みを感じながら最後の二日間のコンサートを行ったそうだ。
そういうことがあったとは、みじんも感じさせない。(初めのトークで「みなさんの拍手や声援を聞けば痛みも全て忘れます。完全燃焼するつもりですが、もし、途中でダンスをストップしたら、もうそれ以上は続けられないということなので了承してほしいです。実際のところ、意志の力でコンサートをしているのです」と話し、「今からのコンサートの中で、スローな曲を歌うところがあるのですが、前方の列に座っている人たちはもしかしたら驚きで口が開いてしまうかもしれません。というのも、セクシーなものをお見せするつもりだからです」と続く。)
特に、黄色いかつらのパートは本当に息を殺して見つめてしまう。アニタのすけるように白い肌が際立ち、長い手足がしなやかにかつ艶めかしく動き、大きな瞳はコケティッシュだったりいたずらっぽかったりで表情豊か。セクシーでかっこいい、というのはこういうことなのだ。しかも、歌に乱れがない。
アニタは自分がピークのときの姿をファンに覚えていてもらいたくてこのコンサートを行った。それから、11年後には生涯でもっとも美しいイメージをファンに残したくて「梅艶芳経典金曲演唱會(Anita Mui Classic Moment Live)」を行った。なんという人なのだ、アニタ・ムイは! 彼女が残してくれたものを大切にしたい。彼女の素晴らしさを後世に語り継いでいきたい。
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